「ウィリーをやってみたい!だけど怖い…」や「やりたいけど、やり方がわからない」と考えている人も多いのではないでしょうか?
オフロードやトライアル競技者の方にも必要な技術だと言えます。
そこで今回は、ウィリー初心者向けに前編と後編に分けて練習方法を紹介します!
ウィリーの練習事情
はじめに法律についてお話していこうと思います。
当然ながら公道でウィリーをするのは違法行為。安全運転義務違反です。複数人で走行すると共同危険行為に該当するそうです。
詳しくはこちらの記事にて公開中です。
バイクで公道ウィリーは違法?最悪逮捕になることも!?
なので、練習する場所は一般車が入れないクローズドエリアや、許可の取れた場所、河川敷や港をお勧めします。
管理人さんや近隣住民、管轄の警察とも連携を取って上手く活用していきましょう。
リスクを減らそう
ウィリーは非常に高度な技なので危険が伴う技術です。
全身のプロテクター(胸背中、腕、足、足首)の装着を強くお勧めします。
プロテクターについての記事についてはこちら
ウィリーをするうえで第一に考えて頂きたいのが、バイクの破損リスクがあるという事です。
前輪を上げたたまま後ろにひっくり返る事を”捲れる(まくれる)”と言います。
初心者の方は確実に捲れると思いながらバイクを準備する必要があります。
自分の持っているバイクで挑戦したい方も多いと思いますが、そのままの状態で練習するのは怪我のリスクやバイクを壊すリスクが格段に高くなります。(オフロードやモタード、125cc以下のバイクを除く)
小さいバイクからコツコツ練習する方法が近道です。
まず最初に練習するバイクを選ぶ必要があります。
すぐに持っているバイクでやりたい!そう思う気持ちもわかりますが、私自身当時乗っていたFZ1のクラッチを破壊した過去があり同じ思いをして欲しくないので、下の記事に目を通して頂き、一度じっくり考えてみるのも良いかと思います。
松本がおすすめするバイクはDトラッカー125です。
初心者おすすめのスタントバイクについてはこちら
ここまで長くなってしまいましたが(あせあせ)早速ウィリーのコツを紹介していきます!
ステップ1 リアブレーキを踏む
ウィリー初心者あるあるなのが、フロントアップをするならアクセルを開けてクラッチを離す!と思っていきなり挑戦して制御できずに捲れることです。
間違ってはいないのですが、それだと危険度が高くなります。
なので制御できるようにリアブレーキの操作が必須になってきます。
ウィリーに適した乗車姿勢
ウィリーに限った話ではなく普通にバイクを乗るにも窮屈な姿勢だと操作がしづらくなるので(セパハン、極度のアップハン等)、リラックスできる姿勢で練習する必要があります。
ウィリーはリラックスすることが最も大事だと頭の片隅に置いておいてください。
- 普通にバイクに跨ります。
- 肩と同じ高さまで腕を真っすぐ上げます。
- 握りこぶしを横に1つ分左右に開きます。
- そこから握りこぶし2つ分下に下げます。
- 頭1個分前傾になります。
- 伸ばしている肘の力を抜いて軽く曲げます。
この位置が私がウィリーをするうえでお勧めするハンドル位置です。ほとんどの人がこのようなポジションで乗っていないと思うので、違和感がかなりあると思います。
バーハンドルのバイクに乗っている方は下記の記事を参考にして調整してみてください。
さて、最初の練習方法としてはアイドリング状態で進む速度(10キロ程度)で真っすぐトロトロ走りながら、クラッチを握って思いっきりリアブレーキを踏んでください。そうするとリアがロックして少し滑る感じがします。
それを徐々に速度を上げて慣れるまで、恐怖心が無くなるまで繰り返します。
土踏まず辺りでステップに乗って常にステップとペダルから足を離さない意識で練習してください。
このステップの目的は普段あまり使わないリアブレーキの意識付けをするための練習になります。
ポイント
- ステップとペダルから足を浮かさない
- リラックスする
ステップ2 クラッチを一気に繋ぐ
リアブレーキの意識付けができた、ペダルに常に乗せれるようになったらクラッチ操作の練習をします。
リアブレーキ練習と同じような速度でトロトロ走行しながらクラッチレバーを握り、パッと離してすぐに握ります。このステップでも、2回目のクラッチを握った瞬間にリアブレーキを踏んでみてください。
ウィリーをする際、クラッチを中途半端に繋げるとクラッチが焼けてしまう可能性が高くなります。
なので、ここでは一気にクラッチを繋ぎきる事を意識します。
クラッチを握る→完全に離す→すぐ握る(&リアブレーキ)の繰り返しです。
ここでは絶対にアクセルを触らないでください。アクセルは次のステップで操作するのでクラッチレバーを一気に離すことに集中しましょう。
ポイント
- クラッチレバーを一気に離す
- アクセルを触らない
ステップ3 フロントアップ
ここからはレベルが上がります。
前項でクラッチ操作を練習したと思いますが、その際にクラッチミートのタイミイングでグッと前に進む感覚があったと思います。
それがウィリーの前段階、フロントアップのきっかけです。その動きと連動してアクセルを開けます
具体的な回転数はバイクによって異なりますが、レッドゾーンの半分の回転数で行ってみるのがよいと思います。
体をリラックスさせて10キロ程度でトロトロ走りながら、クラッチレバーを握って徐々にアクセルを開けます。決めた回転数に到達したらクラッチを一気に離し、上がった瞬間思いっきりリアブレーキを踏みます。
ここでブレーキを踏めずに捲れる人がかなり多いです。
勘違いして欲しくないのですが、ここで重要なのがブレーキを踏めるようになるということです。
目標の高さとしては、フロントタイヤ1個分を目指しましょう。真横から動画を撮影して、怖い!と思ったらその角度を確認してみてください。自分の角度を確認しながら無理しない程度に回転数を上げていきましょう。
フォームはステップ1で説明した⑥の姿勢のまま、フロントを上げるようにしてください。
怖くて体が前のめりになるとY字バランスが取れずにフロントが上がりにくくなります。
なので、体とハンドルを近づけないことを意識して、なるべく肘を伸ばして体を反らすようにしましょう。腕でハンドル引っ張るのではなく、腕の力は抜いて上半身の荷重を後ろにかけるイメージです。
同じウィリーの角度でも左と右とではハンドルと頭の近さが違います。
左は腕で上げようとして力んで肘が曲がって、恐怖心で体が前にいっています。このままだと高さに慣れることができません。
右は肘が伸びで後ろ荷重もできており、リラックスできています。
初心者の方は姿勢を維持するのが難しいと思いますが、できなくても意識だけは常にしておいてください。
ここでは、クラッチレバーからは絶対に手を離さないでください。普通のツーリングと違って、スタントではハンドルを握るときは使う使わない関係無しに常に指をかけ続けます。
いつでも握れる状態にしておかないと緊急時に駆動を切れずに、そういう時に限ってアクセル全開で大事故になる事も…
なので、クラッチレバーも常に意識しておいてください。
角度を付けたい!距離を走りたい!その気持ちわかります。ですが、続けていけば必ず出来るようになります!一朝一夕で出来る程簡単ではないので、なるべく捲れないように安全にコツコツ練習していきましょう。
フロントアップの時点でも初心者の方は沢山意識する点があるので、上手くいかない人はコツを試してみてください!実際に自分が試した方法をすべて記載しています。
ポイント
- リアブレーキを絶対に踏む意識
- 腕を伸ばして後ろに荷重をかける
- 急がず、少しづつ角度を上げて恐怖心を克服する
- クラッチレバーに指をかけ続ける
ステップ4 安定角まで上げる
安定角って?そう思った方はまずこの画像をご覧ください。
これがウィリーの基本的な角度です。車種やポジションによって微妙に角度が変わることがあります。
加速角は、フロントフォークと地面とで線を引いた時に、アクスルシャフトがトップキャプより低い状態の時です。
よく見かけるパワーウィリーはこの角度が多いです。この角度ではウィリーを維持するのが難しいです。
安定角は文字通り安定している角度です。フロントフォークと地面とで線を引いた時に、アクスルシャフトがトップキャプが平行の状態の時です。
直線ウィリーを維持するには地面に対して、フロントフォークを平行の高さまで上げる必要があります。
最後の減速角も文字通り減速する角度です。加速角とは逆でフロントフォークと地面とで線を引いた時に、アクスルシャフトがトップキャプより高い状態の時です。
この角度に入れるとウィリーしたまま減速する角度になります。ここまで上げるには熟練者じゃないと難しいので、このステップでは安定角の角度だけ意識しておいてください。
安定角に入れるやり方としては、ステップ3でタイヤ1個分上げた角度が加速角になるので、そこで踏んでたブレーキを我慢するということです。
正直な話、ここからは自分の恐怖心との闘い。気合いが大事になっていきます。大事なのでもう一度言います。気合いです。
上がった瞬間ブレーキを踏んでいたのを気持ち1秒我慢してください。すると自然と安定角に届くはずです。安定角にいかないのならアクセルが少し足らないので、500回転ずつ上げてみてください。
これをやるころには体がガチガチになっていると思います。肩の力を抜いてリラックスを再度意識しましょう。バイクが左右に振れるのは腕に力が入りすぎて余計な力が加わってることが多いです。
ステップ3で説明したフォーム(腕と後ろ荷重)、クラッチのことも忘れないように意識し続けてください。
安定角を維持して長距離を走る方法は後編で説明しますので、コンスタントに安定角に入れれるように繰り返し練習してください。
ポイント
- 気合い
- ブレーキを我慢する
- 気合い
- 再度リラックスする
- 気合い
まとめ
これでウィリー初心者講座前編の終了です。
最後に、ウィリーに限った話ではないですが、大事なことは継続することです!簡単そうにやっている人達もコツコツ練習して上達しています。
仕事や学業でなかなか時間が作れない人も多いと思いますが、できるなら1日10分だけでも練習するのがいいと思います。ウィリーはひとそれぞれ感覚が全然違います。なので、せっかく身につけた感覚を失わないためにも毎日コツコツ続けるのが成功への近道です!
後半編は近日中に公開予定です。お見逃しなく!
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