はじめに
この記事ではストッピーについて理論的な視点からひも解いていこうと考えた時に、何か記録に残しておきたいと思い、このように備忘録にしました。
ですので、この記事ではストッピーの方法やコツなど紹介しません。コツや方法を知りたい方は下記のリンクより別記事をご参照ください。
これを読めば誰でもできる!バイクでのストッピーのやり方解説!
また、この記事で扱う数値や数式には間違いがある前提で見てください。あんま自信ないんで。
あと、できるだけ簡素化して書きます。教育目的で使うのはお勧めしません。あくまでつぶやきみたいなものです。
前置き長くなりましたが、この理論を考えた時に掲げたゴールは、ストッピーを成功させるための重要なファクターは何なのか、またどんな理屈でストッピーができるのか理解することにあります。運動モデルを作るわけじゃないので。
上記を理解してくださる方のみ、本文に進んでください。
ストッピー中のバイクの状態
ストッピーはフロントタイヤを中心としたリアタイヤが前方向に向かって進む回転運動であることから、モーメントで表すことができると考えました。モーメントの式は下に記述します。
M=rF・・・①
M:モーメント[N・m]
r:距離[m]
F:力[N]
フロントブレーキを握った際に生まれたこのモーメントが、リア側の車重を持ち上げられるほど大きくなった時に後輪が浮き始めます。
つまり、前後の車重を考慮する必要があります。
簡易的ですが次のような図を作ってみました。
上の図、左側にある写真が重心やその位置、またタイヤ前後の荷重関係とその距離を視覚的に分かり易く、図面のように表した画像です。
Wは単純に重さを表しています。
Lは長さです。
mは質量、gは重力加速度を表しています。
hは重心の高さを表しています。
ΔWですが、これは荷重移動、フロント荷重とリア荷重の変化率を表しています。
さて、フロント荷重とリア荷重に関しては単純に重さを長さの割合をかけているだけで出しています。重心の位置を基準としているので、重心の位置が半分、つまり1/2であれば、フロントとリアの重さはそれぞれ車重の半分になります。
車重はWで表しており、質量と加速度で表しています。
次に具体的にバイクにかかる力を考えてみます。
ストッピーにおけるO点をフロントタイヤと地面との接地点に決めました。
O点周りのモーメントMoを考えた時に、画像右上のような式で表せられると考えました。
ΔWの単位は[N]なので、
Mo=ΔW・L
という式は
M=rF
と一緒になります。
そしてストッピーを行うために必要な力、言い換えるとリアタイヤを持ち上げるために重要なファクターは質量m、加速度a、重心位置hであると分かりますね!
質量mを走行中に変更させることは現実的ではないので、自身が乗っているときに変化を起こせるのは加速度aと重心位置hになります。
厳密にいうと、重心位置hというのは車両の重心ではなく、重心の合力です。
イメージすると体重の重心とバイク自体の車重の重心は当然違いますよね。
つまり、人間の重心位置を変えることでこのhというファクターを変えることができます。
式で表すのは非常にめんどくさいので、ストッピーを行う際はハンドルに体重もってくイメージ持ってやってみてください。おおよそうまくいくと思います。
また加速度aについてですが、これはブレーキによるコントロールです。
よく減速Gが~~~って聞きますよね、それです。
減速の加速度が大きくなる=減速Gが大きい=強くブレーキをかける
ってことです。簡単ですよね。
ただ忘れてはいけないのは、ストッピーには転がる安定角があるということです。
つまりMo=ΔW・L=0になるポイントですね。大体の荷重がフロントタイヤの点Oに集中すれば表すことができるんじゃないかと思います。これは計算してもしょうがないので、たくさん練習して体で覚えてください。
おわりに
ストッピーについて、ちょっと小話しようと思います。
上記の画像ΔWの所に出てきた式に注目してください。
ΔW=m・a・h とあって、それをLで割っていますよね。
Lは車両の全長、ホイールベースを表しています。
つまり、ホイールベースが長ければ長いほどストッピーに力が必要になります。
つまりロンスイだったりホイールベースが長いバイクはやりにくいってことですね。
理論的に考えれば、感覚的にやりにくい、やりずらかったものが明確にすることができます。またこれが分かると自身の技をより美しく、よりダイナミックにできるでしょう。
是非参考にしてみてください。
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